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週刊Neue Fahne

2012年05月07日号

前例や慣習を疑い自らが変わる行動をとれ

 人は出来ることなら「いままで通りでありたい…」と思うものだ。自らの経験を踏襲して解決できるのであれば、それに越したことはないかもしれない。ただし、これまでの経験で、すべての問題を解決できる確証があるわけではない。経験に固執していると新たな発想も生まれてこない。
 会社組織でも同じである。先輩や上司からの「申し送り」として「前例」や「慣習」が伝えられる。しかし、この意味や意義をしっかりと自分で掴んで納得せず、踏襲してしまうのは論外である。なかには意味や意義を失った「悪しき前例」も潜んでいることがある。
 仮に良き「前例」や「慣習」であったとしても、ただ繰り返していればよいというものではない。良いものであれば、これまで踏襲されている理由をしっかりと自分で理解し、踏襲していくという姿勢をとらなければならない。

「悪しき前例主義」に陥る心理の中には、それに従っている方が「新しい事をしないで済むために楽である…」という選択肢がはたらいているからだ。新しい事を始めるためには、自分や自部署の仕事が増えると同時に、「これまでの行為が無駄になるのではないか…」という意識もはたらく。しかし、疑いもせずに「前例」や「慣習」を繰り返すという行為は、自ら新たなことにチャレンジしていくという意識を自ら捨ててしまうことになる。
 こうした意識が蔓延している組織は、活気のある組織とはならずに必ず澱んでいく。また、こうしたことに慣れ親しんだ仕事を行っていると、いわれた事だけを繰り返すという働きに堕落してしまうものだ。
 仕事とは常に自分で新しい課題を見つけることであり、この過程での新たな発見や失敗が自分自身のキャリアを形成していくものだ。与えられた仕事だけをしている人間は、使えない人間とみなされる。

「自らが属している会社組織をもっとよくしたい」「自分の業務をもっと効率的に行いたい」と考えることが重要だ。そのためにも今の業務内容で十分であろうか、これまでのやり方でよいのだろうか、という「疑問」や「疑い」という視点で会社組織を見直していけば、変えるべきことはいくつも見つかる。そして、「変える」ことを恐れてはならないということだ。
 自分自身が「悪い前例や慣習である」と感じているのであれば、その根拠をただして悪弊と判断したならば、それを改善していくことを真剣に考えなければならない。会社組織に属する者として最悪な行動は、単に「前々から行われているから…」という前例主義に陥ることだ。それは自分で考える行為を放棄しているのと同じことであるからだ。

 自ら変わる努力をしないまま、組織への不満を吐くことは許されない。組織が変わるためには、自分自身が新たな取り組みを怠らず、自ら変わる行動をとり続けることが大前提ということだ。

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