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週刊Neue Fahne

2024年07月22日号

若手社員に真摯に向き合う-11-自らが率先してリスクを背負う姿を見せる

若手・新人に限らず日々の働きの現場では、掲げている目標ではなく「今の活動や作業」に目が向きがちになるものである。その結果、往々にして「面倒なことはやらない」「楽にできることを選択する」「手っ取り早く済むからやる」「人目がないところで手抜きをする」という行動が横行するようになる。いうまでもなく、これらは各種のミスや事故を誘発させる行動に他ならない。
  残念ながらこの種の行動は人間行動に起因している。従って、確認行動の徹底や事故防止のスローガンを連呼しても余り意味がない。もちろん、個々人の行動姿勢を常に検証することは大切であるが、個々人の意識に訴えたとしてもあまり効果的ではない。そこで管理職(上司)は若手・新人に対して業務の一つ一つの行為・行動に対して「何故、それが必要なのか。何故、やらなければならないのか」という意味づけを徹底的に説く必要がある。

  現場の管理職(上司)の若手・新人との向き合い方は、単なる一方的な「指導」ではなく“教える”ことが前提でなければならない。同時に若手・新人に対しては“学ぶ”という目的意識性を求めなければならない。この意味で若手・新人と管理職(上司)の間で行われる仕事に関する関係性には「互酬性」が求められることになる。
  互酬性とは要するに“贈りものをすること、贈られたものを受け取ること、贈りものをお返しする”という人間相互のやり取りである。仕事を巡る若手・新人と管理職(上司)の間での互酬性においては、管理職(上司)の側による“教える”行為が必要となる。そしてこの行為は、一つ一つに対してわかりやすく丁寧な意味説明が前提でなければならない。若手・新人の側には管理職(上司)の“教え”に基づき、自らが“訓練をする”という行為がなければならない。

  若手・新人に対し、管理職(上司)自身が若い時に培った過去の「実績や成功体験」という類の話をしたところで全く響くはずがない。管理職(上司)が悦に入って語る過去の「実績や成功体験」の類は、“教え”という視点からするならば有害に機能する。何故ならば時代背景が全く異なるため、若手・新人には単なる武勇伝の披露にしか映らないからである。
  百歩譲って管理職(上司)が若手・新人に対して、自分ないし自分たち世代の“昔話”をするのであれば、自分自身の過去の「失敗談」とその失敗から得た学びや教訓、そしてその失敗をどのように回復させたかのについてのストーリーを脚色することなく語ることである。それを踏まえて若手・新人が躊躇している局面においては、適時適切に手を差し伸べる(介入する)姿勢を示すことである。

  若手・新人に対し管理職(上司)が示すべきは、「先ずは年長世代が率先して行動を起こす(リスクをとる)」という姿勢と行動である。この姿勢と行動は如何なる「指導」よりも優るものである。そもそも若手・新人は現役として常に最前線で奮闘する者しか尊敬しない。“したり顔”でお説教を垂れるが行動を起こさない管理職(上司)など信用されるはずもない。まして経営に対する不満を吐露するが自らは経営改革に向けてリスクテイクをしない管理職(上司)などは嘲笑の的にしかならない。
  管理職(上司)が“自らがリスクを背負いチャレンジする姿”やチャレンジした結果が仮に失敗しても“そこから起き上がる姿”を見せることが若手・新人に対しての嚮導となる。管理職(上司)は若手・新人の指示待ち姿勢を嘆いている場合ではない。若手・新人の行動に対しては直属の管理職(上司)が責任を持たなければならない。この意味で指示待ちを嘆く管理職(上司)は天に唾する行為に等しいと自省しなければならない。

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