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週刊Neue Fahne

2019年03月18日号

入社直前の新入社員への示唆 −10− 組織依存と責任転嫁に陥ってはならない

会社組織には不合理な面が必ず存在しているものだ。得てしてこれが潜在的な愚痴や不満となる場合がある。愚痴や不満が改善意欲につながるのであれば、自分自身の「やりがい」の源泉にもなる。ところが、一般的には「自分のイメージした会社ではない」との思いから早々に退職するという選択をする者が多い。それも一つの選択であり否定するものではない。
  しかし、愚痴や不満を持ちながら「小人閑居して不善をなす」という姿勢を決してとってはならない。また、「出る杭は打たれる」という意識の下で「何事も周囲から突出せずに人並みにしていれば無難に過ごせる」という意識で過ごしてはならない。

  仮に愚痴や不満が蔓延している職場であったならば、自らがこの意識に浸食されることを敢然と拒否しなければならない。組織の不合理性を感じたならば、先ずは改善意欲へと結び付けて「自分にできることが何か」を考える必要がある。そして、自らが改善意欲を発揮する値がないと判断したならば、“この組織は自らが存在すべきところではない”と見切りをつける勇気も必要となる。なぜならば、自らが属している組織に対して改善意欲を持つことなく、愚痴や不満を持ちながら働き続けたならば、それは必ず「組織ぶら下がり意識」として業務行動に表れ、仕事に対する取り組み姿勢を侵食すことになるからだ。

「組織ぶら下がり意識」とは単純化するならば、“自ら職場内で横断的交流をとらない、新しい試みや行動を嫌う、従来からの慣習やスタイルを絶対視し前例を踏襲することを優先させ、周囲と同じペースで同じような行動を取り、自分で物事を解決せず常に他者に頼り、それがかわなければ他人の責任に転嫁する”とものだ。
  つまり、「組織ぶら下がり意識」とは、組織に依存する意識でもある。そして、結果的に周囲のことばかりを気にした仕事ぶりとなり、何事においても「責任転嫁」することになる。組織への「依存意識」と「責任転嫁」は表裏の関係にあり、組織への「依存意識」が強い者は、その反動として組織へ「責任転嫁」を始めることになる。

  組織依存の代表的な現象は「自分は上司の指示に従うだけでいい」「責任ある仕事はしたくない」「自分だけが一生懸命になるのはバカバカしい」「自分から行動しなくともそのうち何とかなる」「自分の仕事であっても先送りしていれば、そのうち誰も何も言わなくなる」という意識だ。要するに「自己の成長に対する責任は、常に自分自身が負うものである」という意識の欠如が顕著にあらわれるということだ。
  責任とは自分の行為・行動を自主的に選択することができる場合において、その結果として起ったこと全てに法的および道徳的な対応を行うことだ。つまり、自らの「働き方」の結果につい“最大の責任を持つのは本人であり、会社組織ではない”ということだ。与えられた条件と環境の下で自らが最善の行動を行っている者は、組織に対して建設的な問題提起を行うことができる。同様に失敗が生じた原因の所在と自らの「責任」について“逃げない”という姿勢を堅持することができる。誰しも失敗を好む者はいないが、失敗のリスクを恐れるあまり、「自分からは何もしない」という姿勢は自らの存在理由を否定することにもなる。とりわけ新人は「組織依存」と「責任転嫁」意識に浸食された者の常套句である「私は上からやれといわれた事を実行しただけです…」と発言を恥とする意識を磨くことが重要だ。

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