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週刊Neue Fahne

2019年02月11日号

入社直前の新入社員への示唆 −6− 「手待時間」を廃し何事も「先送り」をしない

 ビジネスにおいて「手待時間」を発生させるほど仕事において無駄なものはない。「手待時間」とは、ただちに業務に就くことができる態勢で待機している時間である。この時間は、休憩時間にはあたらず、労働時間としてカウントされる。有り体にいえば業務が止まっていることを意味する。「手待時間」」が発生するということは、物事が先へ進んでいないということである。
「自分が待っている時間」は当然だが、「相手を待たせる時間」も何も生み出されない。しかし、多くの人は「手待時間」の発生を「休憩時間」と錯覚しているため、「手待時間」を発生させることの無駄に無頓着となる。

 こうした感覚が高じてくると指示が出るのを待っている時間も「休憩時間」だと思い込みはじめることになる。特に新人は「手待時間」も労働時間に含まれることを理解しなければならない。そもそも仕事に“暇な時間”などあり得ない。仮にやるべきことが予定よりも早く終わり、時間に余裕ができたとしても、それは次のことに取り組むべき時間であるという意識を持たなければならない。予定より早く片づいたからと、次の指示をボーッと待ちながら過ごしていれば、やるべきことがあるのにやらずにいることになる。
 つまり、所定の労働時間を無駄にしていることになる。時間を管理するということは、時間を自分のものにし、仕事の効率を図るということである。従って、「手待時間」を作ってはならない。常に自分から仕事を追いかけ、全体の仕事を効率的に進められるように、自分が主体となって行動しなければならない。

 仕事においては「手待時間」と同様に「先送り」することも時間の無駄である。「先送り」には、“難しいから、時間がかかるから、大切なことだから、いまは忙しいから、疲れているから……”と色々と理由が見つかるものだ。「先送り」の理由は次から次と思いつき、結果的に手がつけられないまま、無為に時間だけが過ぎていくことになる。そして、結局最後には時間がなくなり、本来であればじっくり取り組む必要があり難しい、大切なはずのことを、あわててバタバタと片づけていくことになる。こうしたことを繰り返しているようでは、しっかりとした仕事のスキルが身につくはずもない。
「拙速(せっそく)は巧遅(こうち)に勝る」という故事がある。 拙速とは、つたなくても速いことであり、巧遅とはたくみでも遅いことだ。 つまり、完璧でなくとも「仕事が早い」にこしたことはないという意味だ。新人のうちは、完璧に仕事を展開することなど誰も期待していない。つまり、新人は最初から完璧を求めず「先送り」せずに早く取りかかり、拙速な状態でも期限前に提出して上司や先輩から各種のアドバイを受けた方が効率的な仕事展開ということになる。

「先送り」とは、難問や面倒なことから逃げるための言い訳の積み重ねでもある。“仕事ができる人”とは、「即断即決」ができ、目の前の課題や自分のやるべき事柄に対して“とりあえず後で…”などという曖昧な先送りはしない人のことである。また、いま結論が出せないなら、その理由をはっきりさせて、次にやるべきことを明確にすることができる人のことである。
「先送り」はクセになる。なぜならば「先送り」する方が楽だからだ。往々にして人間はあとあと厳しい状況に追い込まれるとわかっていても、いま目の前の“楽”を選んでしまいがちになる。しかし、仕事は常に“先に苦労すれば、あとで楽ができる”という意味で、「先憂後楽」という姿勢で臨む必要がある。

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