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週刊Neue Fahne

2018年04月16日号

緊張感を持って部下に接し、自らの仕事スタンスを再考する

 いまだに巷では仕事帰りに同僚と居酒屋で一献傾け合う光景が見られる。一日の仕事や一週間の仕事の疲れを「仕事帰りの一献」で癒すという風習は十分に理解できる。一方で同僚と一献傾けながら、酒の量に比例して会社批判や上司批判のトーンが上がり、最終的に“愚痴”に発展する中間管理職と思しき集団の姿は、若手の社員にとって反面教師以外の何ものでもない。
 酒席の話題は様々だが、新入社員が配属されてくる時期ともなると新入社員の呆れた言動や行動への批判とも嘲笑ともつかない話題が加わる。“話題”の特長は、往々にして「自分は一生懸命やっているのに…」「自分は毎日頑張っているが…」「使えない新入社員が年々増し苦労する…」という“愚痴”の類が大半で、時間経過とともにさながらエンドレステープのようになる。
 
 会社の同僚との酒席で最も困るのは、自分の後輩なども同席させて「お説教」から始まり、最後には会社や上司への“愚痴”に向かっていくパターンだ。一昔前と異なり若い社員は上司や先輩との酒席を厭わなくなってきたといわれている。ただし、これは若手社員が「上司や先輩から有益な情報やアドバイスが得られる」という前提があるならばのことだ。
 若手社員が上司や先輩から相も変わらず「オレの若いころは…」式の「お説教」とも「自慢話」ともつかない話題を聞かされるならば、早晩に「酒席に同席する価値がない」と判断することになる。まして、上司・先輩から会社の方針や処遇に対する“愚痴”を聞かされたうえに、最後は「割り勘」を求められたならば、身も蓋もない。

 上司や先輩が若い部下を連れて慰労の意味も込めて酒席を囲むことは大いに結構なことだ。しかし、この酒席での話題について、上司・先輩は細心の注意を払う必要がある。部下・後輩、まして新人社員は上司・先輩から“自分のこれからの仕事上での有益な情報の話を聴きたい”と思うから同席するのである。従って、上司や先輩の側がこうした若手社員の要望に応えうるだけの情報を提供できなければならない。
 この情報とは単なる社内でのうわさ話や周知となっている事柄ではない。あくまでも生の情報を自分なりに咀嚼し、自分の判断や分析を加えたインテリジェンスとしての情報でなければならない。同時に上司・先輩が部下・後輩・若手との酒席で注意しなければならないことは、「酒席において日常の仕事姿勢が集中的にあらわれる」という緊張感をもち、自らの言動や所作を律することが重要である。

 年度初めは、新卒・中途に限らず新入社員が入社してくる。また、部門・部署の移動も発生し、職場は新人や新任を迎えることになる。こうした時期だからこそ、若手社員への範とならなければならない職場マネジメント層の意識性が問われる。部下・後輩に対し一切の“愚痴”を吐露してはならない。まして会社組織の収益や利益性に対する自らの関わりを度外視して会社組織の将来性を評論家然として語ったところで意味がない。こうした姿勢は天に唾をするようなものだ。
 とりわけ、現場マネジメントを司る管理者は、「みんなで頑張れば何とかなる…」あるいは「結果が出てはいないが頑張ったプロセスは認めてもらいたい…」などと牧歌的な時代ではないということを自覚しなければならない。現場のマネジメントが従来からの自分の仕事のやり方をかえて、会社の利益に貢献していく真摯なスタンスを堅持し、部下・後輩・新人に対して「働き方の質」を高める事を明確に主張できなければ、永遠に“愚痴”を吐き続けるという悲しい末路が待っている。

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