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週刊Neue Fahne

2015年09月14日号

部下の不平・不満には毅然とした態度で臨むのが管理職

 管理職は「不平・不満」を持たない部下の存在に対して疑ってかかる必要がある。物事に「不平・不満」を抱かない者は、“主体的に物事を考える能力”が欠如している可能性もあるからだ。別のいい方をすれば現状を単にあるがままに受入れ、甘んじてしまう傾向があり批判精神が欠如していることになるからだ。管理職の手腕は部下の「不平・不満」を如何にして組織の改善に向けた建設的なものに導くかにかかっている。まさしく方向性を指示し導くという意味での「指導」である。
 管理職にとっての部下指導とは、単純な指示と命令の繰り返しではない。そこで管理職は部下の抱く「不平・不満」の起因を把握する必要がある。仮に部下が会社組織ではなく、管理職の人格や見識さらには職務能力に関して不満を持っている場合は論を待たない。管理職自身の問題として内省して自らの管理職としての資質を問うべきである。

 管理職は部下が抱く「不平・不満」の起因となっている事柄を真摯に追及する必要がある。この結果、もし部下の「不平・不満」が本人と同僚とを比較した給与の違いや仕事量の軽重、さらに処遇をあげつらうものと判断したとする。こうした場合に管理職は、“いちいち気にすることはない”との割り切りが必要だ。
 この種の「不平・不満」は往々にして誰にでも存在している。しかし、一般的に組織活動では誰しもこの種の「不平・不満」を自己抑止しているものだ。ところが、管理職が部下の他者との比較に基づく「不平・不満」に対して、安易に個別対応を始めたならば、管理職のガバナンスは一気に崩壊することを肝に銘じる必要がある。

「不平・不満」に対する個別対応や安易に同調は、組織性を瓦解させ、“いった者の勝ち”という組織風土をつくりだすことになるということだ。管理職のガバナンスが効かなくなった場合には、組織内に“ムリ筋”がまかり通ることになる。
 たとえば、どこの企業組織においても給与や所定労働時間などをはじめとするさまざまな組織としての「約束」や「ルール」が存在しているはずである。さらに他者比較に基づく「不平・不満」には好き嫌いの感情を持ち込んでくることも多い。「不平・不満」に対する個別対応は、情意を持ち込むとともに会社組織の「約束」や「ルール」を反故にする結果となる。
 一見すると部下の「不平・不満」に耳を傾け、それぞれに対処する管理職は部下に気配りがあると思われがちだ。しかし、この“気配り”は、優しさでもなければ善意でもなく往々にして管理職の自己満足に過ぎない。

 もちろん「不平・不満」が単に個々人のレベルを超えて、組織として解決が必要な制度・政策上の問題や組織の方向性をめぐるものであると判断したならば、しかるべき対応を組織課題として行っていかなければならない。むしろこの種の「不平・不満」は、組織の健全性であり歓迎すべきものだ。
 しかし、これとて個別に安易な口約束や妥協で急場凌ぎをすべきではない。あくまでも「組織としての対処」を強調しなければならない。

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