2015年07月13日号
ことの是非は別として日本の企業組織は、グローバル化という厳しい競争社会に直面している。グローバル化とは国際化という意味ではなく、“これまでの競争原理が通用しない”という意味でもある。
従って、企業組織に働く者一人ひとりもこの競争原理の渦中にある。とりわけ、企業組織において基幹である管理職は、誰しも自らの属する企業組織の中にあって、競争原理に勝ち残る責務を負っている。もちろん、ここでいう競争とは他を蹴落とすという“弱肉強食”を意味するものではなく、会社組織と自らが生き残るための日常業務行動の展開という意味だ。
同時にこれはこれまでのビジネス人生における、自らの仕事姿勢に対して矜持を持てるか否かの問題でもある。競争において管理職は、自らが行う仕事に対して自分自身のプライドを全面的に表出させなければならない。自身の仕事にプライドが持てない管理職は、職務を全うすることもできなければ業績を残すこともできない。この結果、会社業績への責任概念も希薄になるものだ。
いまだに企業の不祥事が発覚した段階で「社内では誰でもわかっていたが、誰も注意できる雰囲気ではなかった…」などと発言する管理職が後を絶たない。この種の管理職の愚行は、自らの責任概念の欠如を露呈しているに過ぎないことになる。また、企業組織に属すことに安住し、本質的に企業が果たすべき役割に対して、“自らが如何に関わるのか”という意識が欠如していることを意味している。
管理職はどのような姿勢で会社組織の事柄に対処していく必要があるのか。先ず前提となることは、自分の責任ですべての物事をとらえ、自分の頭で考え、自ら行動するということだ。
これは「会社組織が、何かをしてくれないから、できない…」とい自分以外に責任の転嫁先を求める他力本願の姿勢を敢然と拒否することである。もちろん、この拒否には勇気とリスクが伴うことも確かだ。しかし、これを恐れていると仕事は永遠に自分のものにはならない。
“自分以外に責任の転嫁先を求めない”とは、常に「自分は何をするべきなのか、何をなすべきなのか」「現状を如何に打破していくのか」を自分で考え抜くことでる。
そして、導いた結論に基づいて自ら確固たる信念を持って行動し、結果に対して責任を持つことだ。つまり、自らの人生に確かな方針を持ち、ゆるぎなく実行に移せなければ会社組織の中では「根無し草」の存在になるということだ。
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