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週刊Neue Fahne

2015年03月02日号

管理職は若手・新人社員に態度能力を磨かせなければならない

 管理職は若手・新人社員に対して明確に“今の会社で通用しない人は、どこの会社にいっても通用しない人材となってしまう”という現実をしっかりと説いていかなければならない。
 もちろん、個々人の能力には差があって当然である。また、職務への適性にもバラつきがあることは現実的なところだ。これは良し悪しの問題ではない。さらに一人ひとりに“天職”なるものがはたして存在しているか否かも疑わしい。
 さて、ここでいう“会社で通用するか通用しないか”とは、会社組織での働きの姿勢や態度能力のことである。つまり、“自ら意欲的に物事に取り組んでいく力”であり、ストレスを承知しながらも周囲との間で健全な対人関係を築き、日々に発生する軋轢も円滑に処理していく“しなやかな力”が問われるということだ。

 どんなに潜在的に能力を秘めている人間であっても“本気で能力を出し切らない人、本気でさらなる向上を目指さない人”は、態度能力が劣っているとみなされるものだ。態度能力が劣っている人材ほど周囲に悪癖をまき散らすので始末に悪い。
 そこで、管理職は態度能力の劣る人材に対しては厳しく対処していく必要がある。明確に劣っている態度能力を磨くために「今までの自分の行動を変える」か、あるいは変化できないのであれば、「居場所がない」ということを自覚させなければならない。これが本人と周囲のためである。

 今日多くの企業は人手不足の状態にあるといわれている。しかし、誤解してはならないのは、一部の新卒求人を除いて人手不足=売り手市場という意味では決してないことだ。大手企業だけではなく、多くの企業は“余剰人員を抱えない”というビジネス展開に徹している。
 極端にいえば、自社への「貢献度の高い人材」と「単純な工数労働力」を明確に峻別しているということだ。そこで、管理職は若手・新人社員に「君たちは貢献意欲の高い人材として認められたいのか」それとも「単純な頭数(あたまかず)としてカウントされることに甘んじるのか」ということを常に問いかけ続けなければならない。

 もちろん、管理職自身もこのことを自問して日々検証し続けていなければならない。単純な頭数と位置付けられている者が、仮に退職願を出したならば瞬間的に直属の上司は「困った顔」をするものだ。ただし、「困った顔」をするのは退職願いを出した者の工数を「如何に埋めるか」を考えているからに過ぎない。
 果たして本当の意味において能力を惜しまれて、何度も何度も、慰留され、思い止まるように説得されるプロ人材は非常に稀有だ。管理職は若手・新人社員に向かって“頭数のひとりに甘んじているなら、居場所はどんどんなくなる”ということを伝えていかなければならない。
 さらに間違っても「他に会社はいくらでもある。募集広告もたくさん目にする。能力を認めてくれるような、自分に合った会社は、必ずどこかにあるはずだ…」などという幻想を持たせてはならない。

 今現在の職場で貢献度が高くなければ、どこの会社でも同じであり、「青い鳥」を探して放浪するように転職を繰り返す愚行をさせてはならない。そもそも態度能力の高い人材は、“今の会社は自分の職種が合わない、もっと自分に合った仕事があるはず…”などと思考する前に今現在の仕事で評価を受けているものだ。今の会社で「頭数」の一人でしかない人は、どこの会社に行っても今以上のレベルで処遇されることはない。

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