2014年03月03日号
管理職は「明確な計画を立てているのに、部下が思ったとおりに動いてくれないから目標が達成できない」と思い込んではならない。管理職は目標を掲げただけではなく、部下に成果を出させるのが役割だ。
管理者なら誰でも、PDCA「Plan Do Check Action(プラン・ドゥ・チェック・アクション)」というマネジメント手法を知識としては知っているはずだ。しかし、果たして自らも含めて日常業務でPDCAサイクルを回しているかというと疑わしい。
PDCAサイクルとは一言でいうと、目標(GOAL)達成により効率よく向かうための思考方法だ。一見すると単純に思える日常的なルーチン業務であっても、中長期にわたるプロジェクトでも、目標設定されたものについてPDCAサイクルを回していくことで、成果を上げることができる。従って、PDCAサイクルはあらゆる業務に活用することができる。
その際に極めて重要になるのが、管理者自身が自らの業務行動において“いまだけのこと”“ここだけのこと”に囚われて、目先のことだけのことを考えてしまわないことだ。往々にして管理職は、日常業務に埋没しがちな傾向がある。そのため、「いまさらPDCAなんていわれなくとも日常業務は回っている」と思いがちだ。
しかし、繰り返すがPDCAサイクルを回すとは、思考方法である。PDCAサイクルを回していないと全ての結果は、偶然の産物であるかの錯覚を起こすことになる。この思考が高じると「自分は頑張っているのに経営陣は理解していない」であるとか、「部下が育たないのではなく、素材が悪い」などという他責に走ることになる。
PDCAサイクルは、目標達成に向けて、さまざまな段階でその“なりゆき”や“進捗”をしっかりと管理し、種々の局面で試行錯誤しがちなことを要所ごとに確認していくということだ。そして、この思考パターンを習慣化することで、自らが設定した目標に向けて効率よく結果を出すことができる。
広く「目標管理」といわれているが、目標とは上から与えられるものではなく、自らが設定するものだ。一人ひとりが常にPDCAサイクルという思考方法を取り続けること自体が実は「目標管理」に繋がっていく。PDCAサイクルを回さない仕事ぶりは、結果的に“行き当たりばったりの仕事”に終始することになり、仕事の内容もムダが多く、目指した成果を上げられない。
同時にPDCAサイクルを回すという思考を続けることが、継続的に部門のレベルアップを図ることができる。つまり、組織体を構成する一人ひとりが具体的な目標を設定し、PDCAサイクルを回しながら達成に向けた自己管理を展開することが会社組織の業績向上につながる。
一覧へ |