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週刊Neue Fahne

2013年12月02日号

部下から監視されている管理職の意識

 管理職の業務は「一般社員と経営陣との狭間で苦労が絶えない」「残業手当がある一般社員が気楽だ」「仕事の量に見合った給料をもらっていない」と思い込んでいる管理職がいる。そのためか、管理職に登用を拒否する者も一部には現れている。現にとりわけミドルマネジメント層の中にも、管理職は「割に合わない…」との思いに駆られる人たちが多い。
 こうした思いのはけ口なのか、会社や部下への不平とも不満ともつかない愚痴話を酒の肴に、居酒屋で怪気炎を上げている管理職と思しき人たちをいまだに見かける。乱暴ないい方だが本当にこうした「思い」で日常業務を展開している管理職は、会社に対して自分の降格を申し出るべきだ。
 この思いでいる限り決して部下に「範」となるべき行動をとることができない。結果として部下が成長することもなく、いつまでも自分が部下の業務フォローに右往左往する悪循環に終始し、企業組織の組織性を高めることはできない。

 部下は常に上司の姿を常に監視しているものだ。従って、部下に対して「範」となるべき行動が取れなければ、部下は次のような意識や態度から逃れることはではない。
●自分は会社に対して労働時間を提供しているのだから、時間分の賃金がもらえて当然だ。
●普通の会社は毎年決まった季節に昇給があるのが当たり前。給与が上昇しないのは経営陣の責任だ。
●業績が悪いのは自社の扱い商品が悪いく、売り方が下手で経営方針が間違っているからだ。
●会社のために働いているのだから、会社が経費負担をするのは当然で、コスト削減ばかりを求めるのは筋違いだ。
●今やっている業務で精一杯なので、いまさら新たなスキルや知識を習得する時間がない。
 これらは要するに全てを「他責」にする発想だ。その結果、会社の経営、会社の業績はまるで他人事であるかのような意識と態度に終始することになる。

 経営者に限らず自らの仕事に責任を持って取り組んでいる者からすれば、「他責型社員」に遭遇すると「もう少し、当事者意識を持てないのか」と思う。仮に管理職層がこうした「他責型社員」社員の意識に共感を覚えるようでは、その管理職は部下への統治機能を失ってしまうものだ。
 その職位に関わりなく「他責」の意識があれば、それは際限なく拡大してしまう。もし部下がこうした発想をしているのであれば、管理職は自らの言質言動をチェックしてみる必要がある。部下は上司の姿勢を投影するのである。

 企業組織にあって職位によって“背負う”役割は異なっていて当然である。また、役割によって負わなければならない責任の範疇も異なる。しかし、“背負う”意識が欠如していれば、そもそも責任という概念も生まれてくるものではない。

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