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週刊Neue Fahne

2013年10月21日号

現場の労務管理は管理職の責務

 今日では企業規模の大小に関わりなく、一つの企業内にさまざまな雇用形態の人びとが働いている。いわゆる「正社員」と呼ばれる「無期雇用契約」の社員。「有期雇用契約」として働いている契約社員や短時間のパートタイマーやアルバイト社員。
 さらには派遣会社から派遣されている派遣社員。あるいはある特定の業務を遂行するために会社と業務委託契約を結んでいる外部関係者などだ。今後はこうした雇用形態の人びとが一つの職場に混在するケースはますます増えてくる。

 管理職による職場の労務管理とは会社の目標達成に向けて、多様な雇用形態の人びとを束ね、運用していく管理全般である。一方でいまだに労務管理は、会社の人事部や総務部の仕事であるとの認識から脱することのではない管理職が多いのも現実だ。
 しかし、現場の管理職は多様な雇用形態が増加するという現実から決して逃げることは出来ない。「労務管理は自分の仕事ではない…」などといっていては、役割を全うすることは出来ないことを自覚しなければならない。何故なら労務管理の機能不全は、職場組織の崩壊に繋がり、ひいては会社組織全体の帰趨に大きな影響をもたらすからだ。

 現場の管理職に必要なのは何はともあれ、「会社で発生していることは、全て自らに関わりがあること」との認識だ。これは職場での労務管理課題を決して人事部に責任転嫁してはならないということだ。極端な例でいえば勤怠管理一つとっても現場の管理職の姿勢が問われることになる。
 たとえば、退職した元社員から退職して暫くして、法外な額の「未払い残業請求訴訟」を起こされ、あわてて人事部が調べてみたら、実は同僚に「タイムレコーダーの打刻」を依頼して残業時間を誤魔化すことが組織ぐるみで行われていた。しかし、現場の管理職がタイムレコーダーの打刻を同僚が行うことを黙認していため、結果として時間の誤魔化しの証拠を提示できず和解せざるを得なかった、というケースなどは管理職の管理不行き届き以外の何物でもない。

 また、セクハラの見過ごしは論外として、先輩社員による後輩への指導を逸脱したハラスメント行為、雇用形態の異なるスタッフに対する嫌がらせ行為、などに対する現場の管理職の「見て見ぬふり」が、時間経過とともに職場秩序を崩壊に至らしめるということも発生する。現場の管理職による労務管理には「安全配慮義務」も含まれ、各種ハラスメントに対する対応も当然労務管理の一環であると意識していなければならない。現場の管理職には、労務管理視点に立って自部門の組織診断を行う責任が課せられているということだ。

 現場の管理職の役割は所管する部下にあらゆる意味で「正しいことを行わせる」という、たった一言に尽きるといっても過言ではないだろう。労務管理はその前提条件であり、曖昧にしていては会社の業績向上などはあり得ない。企業組織の成長には組織モチベーションが不可欠で、個々人のモチベーションは本人の資質だけではなく、管理職のマネジメント資質との相乗効果でしか発揮されないものだ。

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