2011年02月28日号
会社組織で働く上では、「気が利く行動」が求められる。「気が利く」とは相手や所属する会社の立場にたって自分自身が“想像力”を働かせるということだ。つまり、周囲の状況や相手の感情や組織の方向を察知しながら行動するということでもある。
経営トップは常に経営環境の変化に対応し、自社の存続をかけて組織の最適性を図るために常に「改善・変革」を追求する。こうした経営トップの「改善・変革」方針を受ける側が、どのような姿勢と態度をもって臨んでいくかが問題となる。
「自分は会社組織で物事を決定する立場にはないので、自分に与えられている日常の業務を繰り返していればいい」という態度をとるのか。あるいは「自分の能力を最大限に活かし、経営トップの思いを可能な限り推し計り、新たな行動をしていこう」という態度を取るのか。
前者の態度を取り続けるならば、結果的に会社組織においては、行動もせずに、ものごとの善し悪しを訳知り顔で語るだけの「社内評論家」に分類されてしまう。さらに高じれば「経営トップがダメだから…」という具合に自らの主体的行動を顧みない単純な「万年不満分子」となり、会社組織の活力を奪い、内部から腐敗させていく元凶になっていく。
一方後者の姿勢と態度は、与えられたポジションや職務上の権限に関わりなく、会社組織の帰趨を自分自身の問題としてとらえて行動していくという意識のあらわれとなってくるものだ。
こうした意識で行動する人は、仮に会社組織があらぬ方向に向かいかけたときにさえ、「いまはそれよりも、こちらの方向を優先すべきだ」と冷静に判断し、有益な発言をすることができる。「社内評論家」と言われる人は、自らは何ら具体的な提案も行動もとらず、「結果」に対してだけ、ああだ、こうだと批評する。
こういう輩は、当事者意識がない傍観者にすぎず、「どうすればいいのか」という視点もなく、結果的には変化を嫌うものだ。何故なら、今までの行動を踏襲していることが、実は楽でもあり自分の「既得権益」を守ることにもなるからだ。
しかし、経営環境が目まぐるしく変化し続けているなか、自分の会社や自分の仕事内容だけが変わらなくていいはずがない。
傍観者でいるかぎり、会社組織の発展に貢献することはできない。そしてなによりも自分自身の成長を促していくこともできない。仕事上では「できない理由」を探すことではなく、「どうやったらできるか」という視点で、相手が望んでいること以上の行動を行うことが自らの成長につながっていくものだ。
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