2012年11月12日号
会社の新しい業務展開や売上拡大に向けた議論をしていると、必ずといってよいほど「実施したいしのはやまやまだが、経験がない、人手が足りない…」と口にする者がいる。一般社員に限らず「できない理由」は管理者の多くが口にする。
「できない理由」を探しはじめれば、その理由は際限なくあげることができるものだ。曰く、時期が悪い、時間がない、適切な人材がいない、経験がない、に始まり、しまいには、「そもそも計画に問題がある…」などといい始めるものだ。そして、なかには極めて理路整然と論理的に「できない理由」を講釈する者さえいる。
しかし、「やりたい」「やろう」と思う者にとっては、その全ての理由が「自分がいまその仕事をやりたくない」ということをもっともらしく、言い訳をしているようにしか聞こえないものだ。
そもそも新しいこと、今までにないことにチャレンジするのは、従来のやり方が通用しなくなっているからである。時期が悪い、時間がない、適切な人材がいない、経験がない…を繰り返し、新たな課題にチャレンジしなければ、世の中から「退場」を迫られている時代である。
「できない理由」探しに汲々とている間に「やれる」方法を思考する者は、思考錯誤しながら実践してしまうものだ。そして、結果として「やらない」で済ますことを考えること=言い訳を考えることをしていると取り残される。つまり、言い訳を考えることはエネルギーと時間のムダとなってしまう。
「できない理由」探しをやめて、「できるために」何をしなければならないのかを考えるのが、「課題解決」ということだ。
人間の思考変化は時代変化よりも数段に遅れるといわれている。先を読み解くのは非常に難しいが、「できるための方法を考える」という発想へ転換することで、少なくとも望ましい結果をイメージすることができる。結果をイメージするということは、同時に結果にたどり着くまでに「いま、自分は何をしなければならないか」という「やるべきこと」が見えてくるものだ。
一覧へ |