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週刊Neue Fahne

2012年10月22日号

周囲との意見衝突を避ける行為は「面従腹背」と同じ

 会社組織の中では一般的にチームワークや協調性などが要求される。そして「協調性」は何時しかコミュニケーションと同意語のように扱われ、協調性の無い者があたかもコミュニケーションが取れない「空気が読めない者」、「和を乱す者」として排除したりする風潮が生まれてきた。つまり、「和を尊ぶ」という摩訶不思議な「空気」が組織に蔓延し始めてきた。
 そしてこの「和を尊ぶ」という「空気」は、古くから日本の企業組織の美徳のようにいわれてきた。一方でこの「美徳」はともすると対立を避け、異論を唱える者さえもいわゆる“和を乱す者”であるかのように扱い排除する論理として用いられてきた。

 組織とは「意識的に調整された2人またはそれ以上の人々の活動や諸力のシステム(活動)」であると定義したチェスター・バーナードの理論によれば、組織を成立のための条件は、1.共通目的(組織目的)2.協働意志(貢献意欲)3.コミュニケーションであり、決して「和」の重要視が組織貢献に寄与するものではないことは明らかだ。
「和の重視」は時として同僚との摩擦や上司との衝突を恐れ、自分の意見をいおうとしない面従腹背者を生む可能性がある。会議でも押し黙り、意見が衝突し掛かると、安易に折衷案でまとめたりする傾向も組織には往々に発生する。
 そして、会議が終わった途端に居酒屋談義で会議の決定事項への批判や、同僚の発見を揶揄して溜飲を下げる者達がいまだに存在している。表面では「和」を唱えながら裏では「和」を乱しているわけだ。こうした風潮はことごとく生産的ではないし、組織を内部から腐らせていく元凶だ。

 自ら無批判的な受身や馴れ合いは「事なかれ主義」でもあるし、「組織へのぶら下がり」と全く同じである。会社組織での働きでは、事の軽重に限らず自らの意見を明確に開示し、徹底的に議論していく姿勢でなければならない。意見のぶつかり合い、方針の互いをめぐっての激論は組織活性化のバロメーターでさえある。もちろん、議論は建設的なものでなければならず、「意趣返し」などは論外だ。
 特に企業組織では他部門との方針をめぐる議論では「意趣返し」は禁物である。会社組織は業種・業態によっても異なるが、業績向上に向けて営業や製造、配送、経理・総務などいくつかの部門がそれぞれの役割を果たしていく協働の場である。
 自分の仕事領域や自部門の成果しか考えないのは、まさしく個人主義や部門主義(セクト主義)であり、貢献意欲が欠如した「組織へのぶら下がり意識」と同根である。

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