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週刊Neue Fahne

2011年11月21日号

自分基準に固執せず、組織内での個人の差異を尊重する

 採用に限らず同僚や部下の評価で最も注意しなければならないのは、「ハロー効果」(光背効果、後光効果)である。例えば、他人を評価するときに、目立ちやすい特徴に引きずられて、他の特徴についての評価が歪められてしまうことだ。過去に優秀な業績を収めた人物である…。有名企業の経験者である…。
 あるいは採用現場でありがちなケースだが、自社にとって必要なビジネスパーソンとしての要件を満たしているか否かと出身大学とは本来関係ないはずなのに、有名大学を卒業しているという理由で「優れているはずだ」と思いこんで採用してしまう…。これらはすべて「ハロー効果」と呼と呼ばれている。

 仕事の現場ではこの「ハロー効果」に注意していなければ、自分の仕事ぶりと同僚や後輩の仕事ぶりを客観的に見比べることができなくなる。自分にはない能力を持っている者に対し、過度な評価をおこなってしまい結果として損害をもたらす元凶をつくりだしたりもする。逆に自分には簡単なことでも上手く出来ない者に対して、他の側面を無視して過度に否定してしまう危険性が常にあるということを自覚しておく必要がある。
 常に自分基準で他人を判断しがちだ。しかもその基準は実はあいまいなものが多い。会社組織ではよほどの特殊な専門性が求められている部門を除いて、同僚・後輩、上司との協働なくして成果を生み出していくことはできない。
仮に自分の同僚にミスは少ないがマイペースでしか仕事ができないタイプがいたとしたら、どう評価をくだすだろうか。「あいつは仕事が遅くてダメだ」とマイナスの判断をするか。それとも「仕事は遅いが、確実にこなす」と考えるか。

ひとは自分と同じ行動特性を持っている者や、同じものの考え方をする者に好意を持ち、理解を示しがちだ。こうした傾向は、ある意味当然でもあるが、自分と同じタイプの者ばかりを評価し、自分と異なる特性を持った者を排除し始めたならば組織は成立しなくなる。
 こうしたことを繰り返しているといつしか、自分と意気投合する者以外を組織から排除したりし始める。こうしたことが続くと行くつく先は組織の「派閥化」を招くことにもなってしまう。そして当然、組織の活性化は損なわれ活力が失われてしまう。さらに、自分の基準だけで同僚・後輩の仕事ぶりや行動を判断してしまうと、自分自身の思考の幅を狭めてしまうことになる。同じ思考パターン同士が集まった組織は、一見するとまとまりがよく見えるのだが、同じ行動パターンしかとらない集団となり、新しいことへのチャレンジが行われなくなる。

 組織とは自分と異なる考えを持っている者同士であっても、「共通の目的」と「貢献意欲」の下で、互いの違いを尊重しつつ意見をぶつけ合い新たな方向を見出していく機能体集団である。この関係があるからこそ既成の枠にとらわれない新たな発想が生まれるものだ。
 自分の基準に囚われず、組織内の異質な個性を評価できる姿勢を持つことが、自分のみならず組織全体のモチベーションアップにつながる。

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