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週刊Neue Fahne

2011年11月14日号

自己目標に基づいた「参画意識」がモチベーションを高める

 会社組織では上下の関係や取引先との関係、ひいては同僚との関係などさまざまな複雑な関係が入り組んでいるのも現実だ。こうした関係は時として自分にとって「壁」となってのしかかってくることもある。誰もが経験することだが、会社組織ではこの「壁」から逃げることはできないと先ず自覚することだ。
 自分で物事の目標を決定しそれを実行に移し、そして成果を生み生み出していく、こうした経験を積み重ねていくことが自分のモチベーションを高めていく基本だ。その上で少しでも自分の考える方向に組織を動かしていくためには、「いま何が必要なのか」とい意識を常に持ち続けながら日々の業務実践を行っていくことが重要となってくる。

 この意識づけの端緒となるのが、組織に対して自ら「参画」し「協働」するという考え方だ。会社組織の一員である以上は、社員が業務に「参加」しているのは当たりまえだ。しかし、「参画」となると自発的かつ積極的に加わっていくことが要求される。この「参画」意識をもって自分は仕事に接しているだろうか、と常日頃から自らに問いを発し続けることが重要だ。そして「協働」の意味を考えてみることだ。「協働」とは、「共通の目的を実現するために、役割と責任を自覚したうえで、相互の立場を尊重して、対等な関係で協力しあう」ということだ。
 自発的かつ積極的に会社組織に「参画」している者は、おのずとこの「協働」意識が身に就いてくる。しかし、漫然と会社組織に属しているだけであれば、単なる「参加者」に過ぎず、周りを巻き込んだ「協働」にはならない。

 この「協働」意識がなければ自分の仕事に対するモチベーションを高めることは不可能だ。なぜなら単純な「外的要因」としてのモチベーション向上は、所詮は一過性のもので長続きがしないからだ。よく引き合いに出される心理学の実験がある。それは、二つのチームにそれぞれ、同じパズルを解せ、一方のチームにはパズルを解くごとに「報酬」を与える。他方のチームには「報酬」を与えなかった。
 実験開始の段階では「報酬」を与えたチームは、休憩時間も惜しんで喜々としてパズルの回答に励んだ。しかし、時間が経つにしたがって、決められた休憩時間にはピタリとパズルを止め、休憩時間が終わるとパズルの回答をするというスタイルに変わった。一方の「無報酬」のチームは、逆に時間の経過とともに休憩時間にもパズルの回答に挑戦し続けた。

 つまり、「報酬」には関わりなくパズルそれ自体を楽しみ始めたわけだ。仕事のモチベーションについてこの実験は大きな示唆を与えてくれる。自らの仕事を自ら管理しながら仕事に主体的に参画し、その成果に楽しみを見出していくことが、自らのモチベーション向上に直結するということだ。

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