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週刊Neue Fahne

2010年12月27日号

「組織へのぶら下がり」は、無責任の証

「出る杭は打たれる」ということわざがある。
 ことわざの意味は、才能や手腕があって周囲からぬきんでている人、さし出た振る舞いをする人は、とかく周りから非難され、憎まれたりしやすい、というたとえだ。
 こうしたことから「何事も周囲から突出せずに人並みにしていれば無難に過ごせる」という“教え”のように語られてきた。しかし、こうした考え方は、日々に経営環境が変化しているビジネス社会では「組織ぶら下がり」と同じことを意味している。

組織内で構成員の中に「ぶら下がり」という意識風土があるならば、次のような弊害が必ず生まれてくる。
・従来からの組織体制が固まってしまい、変化に柔軟な対応ができない。
・新しい試みや行動をする人が歓迎されない。
・昔からのやり方が絶対視されて一人ひとりの社員に「事なかれ主義」がはびこる。
・社員の誰もが周囲と同じペースで、同じような行動を取り始め、社員間に「横並主義」が生まれて活性化が失われていく。
・自分で物事を解決するのではなく、常に他者に頼り、叶わなければ他人の責任に転嫁する。
 そして、「組織ぶら下がり」意識を持ったならば、結果的に周囲のことばかりを気にした仕事ぶりに終始してしまうことになる。その結果、
「自分は上の指示に従うだけでいい」
「責任ある仕事はしたくない」
「自分だけが一生懸命になるのはバカバカしい」
「自分から行動しなくともそのうち何とかなる」
「自分がやらなくとも誰かがやってくれる」
「自分の仕事でも常に先送していれば、誰も何も言わない」
という無責任な行動をとることになる。

 こうした意識を持っていれば、必ず組織内に蔓延し、組織それ自体が無責任集団と化していくものだ。そして行くつく先は、会社組織が社会的な存在をなくしていく。
 いまの時代に会社に在席し平均的で“可もなく不可もない”人材であることに意味はない。広く社会や会社のことを考え、「自分がやるしかない」と覚悟と信念を持った行動を取り、会社全体をリードし、他の社員に影響力を発揮し、刺激を与えながら貢献をしていく主体的な意識が不可欠だ。この意識がなく、いくら会社や他人の責任をあげつらったとしても、それは「天に唾する」するのと同じだ。

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