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週刊Neue Fahne

2019年09月16日号

組織を俯瞰し悪しき「前例」や「慣習」と戦う

組織には「前例」や「慣習」が付きまとうものである。とりわけ企業組織では良い「前例」や「慣習」であればこそ、これまで踏襲されている理由や意味をしっかりと自分で理解するという姿勢をとらなければならない。単に盲目的に無批判に「前例」「慣習」に従うということは、前任者のやり方やこれまでの会社のやり方をただ繰り返す「現状維持」にすぎない。組織を構成する一人ひとりの「現状維持意識」は必ず企業組織を衰退させる。
  同様に「悪い前例や慣習である」と感じている事柄に無頓着であるならば、結果的に犯罪行為を助長することにもなる。企業組織に属する者として最悪な行動は、単に「前々から行われているから…」という前例主義に陥ることだ。それは自分で考える行為を放棄しているのと同じことであるからだ。

  企業組織には、先輩や上司からの「申し送り事項」のように伝えられている「前例」や「慣習」もある。そうした「申し送り事項」であったにせよ、その意味や意義をしっかりと自分で掴んで納得せずに繰り返すのは論外である。悪しき前例主義に従い「現状維持」に陥るということは、結局は「新しい仕事をしない」ということに通じている。
  物事に対する批判精神を持たず「前例」や「慣習」に疑いもせずに従う行為は、自ら新たなことにチャレンジしていくという意識を自ら捨ててしまうことでもある。こうした意識が蔓延している組織は、活気のある組織とはならずに必ず澱んでいく。また、こうしたことに慣れ親しんだ仕事を行っていると、いわれた事だけを繰り返すという働きに堕落してしまうものだ。

  仕事とは常に自分で新しい課題を見つけることであり、この過程での新たな発見や失敗が自分自身のキャリアを形成していくものだ。与えられた仕事だけをしている者は、「使えない者」という烙印を押されることになる。なぜならば、「指示がなければ動かない」=「指示がなければ動けない」ということになるからだ。
  企業組織には指示命令関係が存在するが、これは指示命令に盲目的に従うということを意味しない。企業組織が社会全体に果たす役割を踏まえて、「自らが属している会社組織をもっとよくしたい」「自分の業務をもっと効率的に行いたい」と自分の頭で思考することを怠ってはならない。

「前例」や「慣習」を踏襲することは、実は一人ひとりにとって楽で安易な行動に終始することを意味している。なぜなら自分の頭で考えて判断しないことは、責任の所在をあいまいにさせることになるからだ。しかし、このことは、物事に対して単に「流される」ことを容認することである。後々になって「〇〇の指示に従っていただけだ」であるとか、「〇〇の指示が間違っていたから自分が間違ったのだ」などという繰り言は通用するはずもない。
  自らの属する組織を俯瞰するならば、変えるべき「前例」や「慣習」はいくつも見つかるはずだ。そして、自分にできりこと、しなければならないことは必ず存在する。「変える」ことを恐れてはならないということだ。まして、自ら変える努力をしないまま、組織への不満を吐くことは許されない。組織が変わるためには、自分自身が新たな取り組みを怠らず、自ら変わる行動をとり続けることが大前提ということだ。

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