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週刊Neue Fahne

2019年07月29日号

管理職の適時・適切なフィードバックが育成につながる

管理職が部下に対して抱く不満は様々だが、概ね「何度も同じことを注意しているのに、直らない」「部下が育ってくれないので困る」というものがある。管理職の側からみた部下への愚痴は、「前にも言っているのだから、理解しているはずだ」「知っているはずだから、できて当然だ」「自分で成長してくれないと…」という事柄に収斂される。
 しかし、「前に言った」としても、実際には「一度だけ言ったことがある」だったりする。また、「知っているはず」と言っても、「自分が教えたわけではない」だったりする。これでは管理職が単に現状で「できている自分」や「できるようになった自分」の経験を振りかざしているに過ぎない。何度でも、わかるようになるまで、できるようになるまで、指示し、指導することが、部下育成そのものなのである。

 管理職が部下を育成する場合に何よりも重要なことは「仕事のやり方」を教えるのではなく、「仕事の意味と意義」を説いていくことだ。いうまでもなく管理職にとって最も重要な業務の1つが部下育成である。従って、自分自身の業務多忙を理由にして、部下に対し仕事を指示するだけでは、部下が腹落ちして仕事に取り組むことはしない。この種の仕事の指示のみを繰り返しているならば、部下は相談をしないばかりか連絡を怠ることになる。そして、「結果報告」のみを繰り返すことになる。
  部下に対して仕事を行うことの「意味」や「目的」そして「意義」を管理職自身が自分の言葉で説明できなければ、部下から判断をあおぐ必要のある相談などが管理職にあがってくるはずもない。また、例外事項が発生した場合に部下はその意味することもできない。何故ならば、「意味」と「目的」を理解していないため、発生している事柄の重要性を理解できないからである。

 管理職は部下に対して報告書、提案書、企画書などは、期限を定めて提出させている。しかし、提出させた書類に対して管理職が素早く反応をしなければ意味がない。例えば日報を数日分まとめて読んだり、提案書を机の上に積んだままにしておいたりするのは、論外である。もちろん、読んだ後に自分の意見や判断を素早く部下にフィードバックする必要もある。提出物や仕事の結果に対して評価・判断を下し、それを部下に伝えるということに、大きな意味がある。部下には「高く評価してほしい」「ほめてほしい」という気持ち以上に「早くフィードバックがほしい」と思うものである。
 部下は自分の報告や結果に対するフィードバックされることで、自分の進捗状況や理解度を判断することができる。フィードバックは部下の「ご機嫌を伺う」ということではない。部下の心理は自分の行動に対する何がしかの評価を期待するものだ。その気持ちにこたえない管理職は、部下のやる気をそぐだけである。

  部下育成において管理職は過保護である必要は決してない。ただし、細かな配慮を怠ってはならないだけである。同時に部下に対してして妥協や手抜きをしない真剣な姿勢を示し続けなければならない。さもなければ部下は「この人なら、安心してついていける」と思うことはない。また、「この人に支えられている」という信頼感を持つこともない。さらに管理職は常に革新をしていく意欲を持ち、「学ぶ」姿勢を部下に示す必要もある。自らが「学ぶ」姿勢が欠如した管理職は、部下から侮られる対象になるだけだ。

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