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週刊Neue Fahne

2018年06月25日号

管理職のフィードバックが部下に当事者意識を持たせる近道

 管理職が部下の「仕事スタイル」に不満をもち、部下も管理職の「指導スタイル」に不満をもつという残念な状況が職場に生まれ始めている。管理職は“管理職の側だけが一方的に部下を非難することだけで、職場が活性化するわけがない”という至極当然のことを自覚しなければならない。管理職は常に“自分の指導方法や部下との接し方”を内省する必要がある。とりわけ、管理職は部下への情報発信について考える必要がある。
 管理職は会社全体の動きや将来に向けての計画について、部下よりも多くの情報を持っているものである。しかし、こうした経営情報を適時適切に部下に開示・説明し、理解させていく行為を怠っている場合がある。管理職は経営情報を不必要に抱え込んではならない。

 管理職は部下に開示できる経営情報を提供し理解させていかなければ、部下が当事者意識を持つことなど期待することなどできない。部下は管理職にとって都合の良い道具などではないからだ。部下は適切な情報が与えられず、一方的に「頑張れ!」と叱咤されても「何をどのように頑張るのか」を自分で判断することもできなくなる。
 確かに経営情報は各階層によって開示レベルが異なる。従って、自分に開示されている情報を自分なりに咀嚼し、部下に対して開示していかなければならない。情報を開示するとは単に得た情報を「上から下」に垂れ流すことではない。あくまでも自分の判断を加える必要があり、情報を提供するとは部下に考えさせることでもある。

 管理職は部下に経営情報を的確に提供し、部下に“自分なりに判断する”という思考回路を持たせていく必要がある。さらに管理職は部下からも各種の情報を収集しなければならない。部下からの情報収集とは、一般的に部下に対して期限を定めて日報や報告書、提案書、企画書などを提出させるということだ。しかし、管理職は“部下は上司に報告するのは当然のことである”という姿勢をとってはならない。
 管理職がこうした姿勢をとるのは、“自分は忙しい”“自分は指導する側である”というマネジメント意識とは無縁の思い込みに由来している。この意識に陥る管理職は日報を読み飛ばし、部下に提出させた報告書、提案書を机の上に積んだまま放置してしまうことになる。こうした行為は、部下の意欲を削ぐことにもなり論外である。あくまでも管理職にとってマネジメントとは、単純な地位ではなく役割であることを忘れてはならない。

 報告書や提案書を読んでも部下に対し、自分の判断を伝えない管理職は罪深い。何故ならば、たとえすぐに目を通しても部下に対してフィードバックすることなく、無反応であれば、それは放置しているのと同じである。管理職は部下から提出された報告書や提案に対して、その都度、評価・判断を下してフィードバックを行っていかなければならない。この行為を怠れば部下は必然的に“自分は放置されている”と認識するようになる。
 部下は、自分の提出物について“自分の企画は的外れではないのか”“自分の報告は役に立っているのだろうか”など、上司の反応を聞きたいものである。これは部下の自然な心理である。管理職がフィードバックを怠るならば、部下の期待に応えないということである。こうした状況が蓄積されるならば、職場の活性化は期待できないばかりか、部下に「当事者意識」を醸成させることもできない。

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