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週刊Neue Fahne

2018年02月26日号

部下の成長と行動に関与するのが管理職

 マネジメントとは一言でいえば、「人と社会のお役に立つ」ということである。マネジメントの原理原則とは、「成果を中心に置く」ということにある。企業組織に限らずあらゆる組織は、組織内で働く人がいるから事業を展開することができ、存在し続けることができる。
 組織は人を隷属させる手段ではなく、あくまでも共通目的のもとで、働く一人ひとりが価値ある仕事を外に向けて提供する存在である。何よりも人は、価値ある仕事に責任を感じるときに最も力を発揮する。また、価値ある成果をあげ、人に役立つと実感するときに仕事の喜びを感じることができるものである。

 管理職が行う役割としてのマネジメントは、単に部下に指示命令をすることでもなく、部下を支配し操作することでもない。あくまでも「部下への責任が中心に置かれた」ものでなければならない。とりわけ企業組織における管理職の行動の姿勢≠ヘ、所管部署全体の成果を映し出す鏡である。
 つまり、管理職のマネジメント力が組織に反映し、メンバーの効果的なパフォーマンスに直接的な影響を及ぼすことになる。担当する職種にかかわりなく、管理職は常に市場や購買者という買い手の立場に立って、買い手が必要とするものを提供していく≠ニいう「マーケット・イン」発想を堅持したマネジメントに徹しなければならない。この発想の欠如、すなわち一方的な「プロダクト・アウト」思考はクレーム発生の温床になる。

 マネジメントを司る管理職は、単に自分一人が売上や利益を追求することではなく、自ら与えられた職責(役割)を果たし、部下に影響を行使し続けるリーダーシップ≠発揮していかなければならない。これは部下一人ひとりに自分の未来に責任を持たせる”ということであり、所管部署の業績のみならず会社全体の業績に責任を持たなければならない≠ニいうことでもある。
 同時に単に自分が頑張れば良いというものではない。勤怠管理も含めた部門を構成する部下の業務指導にも責任を負うということである。これは管理職自らが“部門経営者でなければならない”という意味である。部門を経営するとは、部門利益の代表者であってはならず、“組織体としての成果を創り出していかなければならない”という意味でもある。

 管理職はコンプライアンスの観点からも現場における労務マネジメントを職務範疇として自覚する必要がある。これは管理職が部下の成長や行動対して責任を持たなければならないという意味でもある。部下の成長を含めた行動に関与することができる管理職は、おのずと自らの成長を促すことになる。逆に部下の成長や行動に関与できない管理職は、そもそも成長意欲をあきらめたことになる。
 管理職のマネジメント意識は社歴や経年で自然に身につくものでは決してない。また、単なる数値に表れてくる業績がマネジメント能力の有無をはかる証でもない。あくまでも目的意識的な学習を通して自らが形成していくものである。学びがなければマネジメント意識は醸成されない。

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