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週刊Neue Fahne

2017年05月22日号

組織力の強化とは互いを公正に評価し合う関係性

 企業組織の成長を支える原動力は、組織を構成する一人ひとりの「創造性」と「主体的な取り組み姿勢」である。ただし、すべての社員が最初から「創造性」を持っている訳ではない。
 一方で「主体的な取り組み姿勢」は、仕事に対する基本的に備えていなければならない姿勢である。仮に素晴らしい「創造性」の持ち主であったとしても仕事に取り組む姿勢があいまいであるならば、持続的な成果を作り出していくことはできない。

 企業組織はあくまでも利益追求を存続の条件とした、さまざまな部門部署によって構成される利益共同体である。当然のことながら組織体には一見すると中核的部署・部門や花形と呼ばれる部署・部門が形成される。そして同じ組織にあっても周りから羨望の的となったりする部門・部署が存在することも確かだ。するとこうした部門・部署以外の者からは、自分の部署・部門よりも「花型」の部門・部署が羨ましく思えたりしがちだ。諺でいう「隣の芝生は青く見える」というやつだ。
 こうした感情や意識が芽生えはじめると、いつしか組織の全体構成として自分の部門・部署が果たしている役割、ひいては自分自身の役割意識を減退させてしまう。さらには部署・部門間や個々人との間で、無用な対立関係を発生させたりもし始めるものだ。

 組織体で発生する軋轢につて、P.Fドラッカーは「組織内の摩擦のほとんどは、互いに相手の仕事、仕事のやり方、重視していること、目指していることを知らないことに起因する。問題は、互いに聞きもせず、知らされてもいないことにある」と喝破する。
 この言葉は単に組織内のコミュニケーションの重要性を説いているだけではない。一人ひとりが自らの仕事の役割を自覚したうえで、好き嫌いに関係なく相互に信頼感をもって、互いを理解し合うことの重要性を述べている。信頼し合う関係とは、周囲との関係についてそれぞれ責任ある役割を果たすということでもある。こうした関係は決して「馴れ合い関係」を意味するものではない。むしろ、それぞれが仕事上で自分の果たすべき役割において、成果を出していなければ成立しないものだ。
 
 社員同士の交流も盛んで外見上はコミュニケーションが取れているように見える組織である。しかし、内実としてそれぞれの部門部署に互いに成果に裏打ちされた関係が存在していなければ、それは砂上の楼閣のようなものだ。企業という組織は様々な部門・部署の有機的なつながりで成り立っている。そして互いを公正に評価し合う関係が組織力となる。こうした関係を堅持していくために必要なことは、組織を構成する一人ひとりが現時点において自らに与えられている業務の役割を自覚することだ。
 経営環境が日々刻々と変化している現在では企業に求められる社員像も変化する。つまり、従来からの常識的と思われていた行動様式にすがりついていている者は取り残されてしまう。さらに旧態依然とした「やり方」に固執していている者や「事なかれ主義」の就労意識から脱却できない者は、決して公正な評価対象にさえなれず居場所がなくなってしまう。

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