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週刊Neue Fahne

2017年04月24日号

新人に教えるビジネスの常識−8−「見せかけの勤勉」に終始してはならない

「働き方改革」が喧伝されはじめて以降、自らの働きを労働時間の長短でのみ判断する風潮が増している。もちろん適正な働きに対して正当な報酬が得ることが出来ないことは論外である。しかし、会社組織や非営利組織を問わず、仕事とは自分のためにだけに「やりたいことをやる」ないし、「時間工数として働く」というものではないはずだ。この発想からは「働きは苦役」ということになる。
 誰しも仕事に向きあうにあたっては、自分に課せられた「やるべきこと」をやるという発想で臨んだ方が楽しい。ひとは自分の人生と仕事に意味を持たせたいと思うものだ。「やるべきこと」をやるということは、自分が属している組織の使命を体感し、共有することにつながる。つまり、自分の人生と仕事に意味を持たせることになる。

 仕事への向きあい方はそれぞれであっても構わない。しかし、組織体で働く以上は常に「自分だったらこのようにしたい」と考える癖をつけることが重要だ。それは仕事を「自分のこと」と位置づけるか、「やらされごと」と位置づけるかで、大きな違いとなってあらわれてくるからだ。「やらされ仕事」を繰り返していると必ずといってよいほど他部門に配慮せず常に自部門の利益ばかりを優先しはじめて全体を見ることが出来なくなる。
 また、ことあるごとに前例や慣習、これまでの経験を引き合いにだし、自らの仕事の進め方に変革を起こせない。さらには、全体の効率化も考えることが出来なくなる。この結果、全体としての業務効率を考えず「見せかけの勤勉」を装うため、無意味な残業に終始しはじめることにもなる。

 現場を統治する管理職は新人を「見せかけの勤勉」にさせてはならない。これを防ぐためには現状の職場点検が重要となる。仮に「自分は雇用されている身なので、会社発生している事柄は経営陣の問題である」という発想をしている者が存在しているのであれば、即刻この種の意識を変えさせなければならない。このような発想をしていては、何時までたっても仕事を通して自分を高めていくことはできない。
 つまり「自分が経営者だったら…どうするか」と考えて行動していなければ、仕事は“他人事”で終わるということだ。職場を構成する一人ひとりが経営者意識を共有し、自分に課せられた仕事を「自分のこと」と思うことで視野が格段に広がってくる。一社員の視点では思いつかないことも、自分が経営者であることを前提にしてみると、異なった視界が広がってくるものだ。

 経営者意識を共有するとは自らの仕事の視点を変えることにもなる。そして「雇われ意識」を払拭するということになり、時間に拘束された働き方から脱皮して“仕事を行うことの意味と意義”も見えてくる。新人に対してはこうした仕事への取り組み姿勢が、働きに対する活気と公平性のある職場づくりに繋がるということを教えて行かなければならない。
 もちろん、働きに対する活気と公平性を担保して行くために管理職は、従来の時間労働に基づいた単純な評価ではなく、あくまでも結果に基づいたパフォーマンスの発揮度合いを評価していくスタンスを堅持しなければならない。

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