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週刊Neue Fahne

2016年08月29日号

全社的視点でコスト削減に貢献するのが管理職の役割

 会社はコストの塊である。従って、コスト削減は管理職の至上命題である。ところで、部門に責任を負う管理職は往々にして“自部門のコスト削減には努力するが、他部門のコストに無頓着である”という姿勢になりがちだ。しかし、コスト削減はあくまでも全社的な視点で、成果をあげていくものである。自部門のコスト削減を追求していくあまり、他部門にコストを押しつけることがあってはならない。
 たとえばメーカーなどでありがちなことだが、営業部門が無理な短納期で受注をすれば、製造部門のコストアップとして跳ね返る。逆に製造部門が製品単価低減のために計画以上の大量生産をすれば、在庫コストがアップする。このような行動をとるならば、次のような部門間の軋轢が発生するのが必定だ。

「営業が受注しても、製造部門が非協力的だ」であるとか「製造部門では単価低減に必死になっているのに、営業は簡単に値引きする」という文字通り非生産的で無意味な対立構造だ。この種の他部門批判は不毛である。
 こうした部門間軋轢は日常的なコスト削減を阻害する元凶ともなる。コスト削減を具体的に実践していくためには、部門間連携を大前提にしなければならない。つまり、部門最適の発想を脱して、あくまでも全体最適を思考して風通しの良い組織作りとコスト削減は密接に関係しているということだ。管理職がコスト削減の前線に立つということは、組織全体の利益創出を思考するということだ。

 部門間連携は管理職のマネジメントの基本でもある。管理職がともすると陥りがちなセクショナリズムを廃し、部門間連携を実現するためには、“他部門の損失は、自部門の損失である”というスタンスを堅持する必要である。このためには、お互いの状況を踏まえた情報伝達が欠かせない。営業部門は製造部門に受注状況をこまめに伝達することが重要である。反対に製造部門は在庫や販売状況を確認しながら、生産計画を立てるということが求められる。
 管理職は常にお互いの状況把握をしながらコスト削減を追求していかなければならない。この発想は単にメーカーに限らず、あらゆる業種にも当てはまる。

 管理職がコスト削減を展開していくためには、自部門のみならず他部門にも関心を持ち、互いに情報を集めることが肝となる。他部門の情報を求めず、批判だけをしているような姿勢からは、コスト削減の成果は生まれない。同時に管理職は自部門の状況を積極的に全社に公開していくことが必要である。
 部門を統括する管理職同士による情報交換の活発化は、お互いに他部門の状況把握につながり、無益で不毛な他部門批判の解消させることにもなる。“他部門の損失は、自部門の損失でもある”と考えることが、会社全体の利益貢献に直結し、組織全体の活性化に寄与することにもなる。管理職は間違っても自部門のコストを他部門に押しつけたり、無関心を装うような排他的行動をとってはならない。

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