2011年06月06日号
ひとは成功を重ねてくると、無意識に傲慢になっていくものだ。同時に「自分を強く見せたい」という我欲も生まれ、周りからの「批判の声」が耳に入らなくなってしまう。
周りが批判をしてくれる間はまだましだが、悪くすると周りの人びとが、何もいわなくなり周囲から孤立する。正に「裸の王様」状態だ。そこで次のような点を常に念頭に置きながら日常行動をとっていくことだ。
・自分の本当の強みはどこにあるのか。
・自分に足りないのはどのような面なのか。
・自分はまず何から着手していけばいいのか。
こうした問題意識を持っていれば、他者からの教えを請う勇気も生まれてくる。周りの声を聴けるひとは、自分なりの出した答えが仮に甘かった場合には、それに気づき、改めていく謙虚さも持つことができる。周りの人びとは上司・先輩はもとより、同僚・後輩、さらには取引先にいたるまで、自分の業務遂行に関係しているすべてのひとだ。
問題意識を持つということは、常に自分自身の頭の中に「疑問」を持ち続けておくことだ。この疑問を解消していく過程が自らの日常業務行動を変えていく「学び」に直結している。こう考えると自分の周りには非常に多くのアドバイサー(教師)がいることになる。
第一には、自分から見て優れたリーダーシップを発揮しているひとから学ぶことだ。
・なぜ、自分は優れているひとと比較して劣っているのか。
・なぜ、同様な問題に対して自分と異なる対応をとるのか。
第二には、自分と異なる価値観を持っているひとから学ぶことだ。
・なぜ、自分とは異なる視点で物事を見るのか。
・なぜ、このような問題にこだわるのか。
第三には、同業他社や取引先など社外の人びとから学ぶことだ。
・なぜ、同業他社は自社と異なる戦略をとっているのか。
・なぜ、取引先は取引条件を変えてきたのか。
日常行動に対して常に「疑問」を持ち続けることが、今日明日の行動変化になっていく。
過ぎ去った過去を変えることはできない。しかし、いま現在の自分の行動を変えていくことはできる。そこで、「昨日を憂えず」「今日を驕らず」「明日を恐れない」ということだ。
昨日を憂いていては、何も始まらない。今日の自らの行動を変えていく勇気を持ち、行動を開始することができるひとには、一つの特長がある。それは、周囲の人びとの声に率直、謙虚に学ぶ場面を多く持っていることだ。
一覧へ |