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週刊Neue Fahne

2015年08月31日号

管理職は自分自身で仕事を抱え込んではならない

 管理職が部下に対して仕事を与える場合の鉄則は、部下よりも一段高い観点に立たなければならないということだ。部下に仕事を任せられない管理職は、自分自身が部下と同一の視点に立っているからである。
 この裏返しは部下の能力を信用していないか、部下と競争をしている行為となってあらわれる。管理職が肝に銘じるべきは、実務遂行能力に優れていることが管理職としての優劣を決することではないということだ。

 管理職がとるべき事柄は多岐にわたるが、全体の最適性をつくりだし自分が所管する組織全体の成果をあげることである。この過程で部下を活用せずに自分一人で切り盛りする行為は、管理職が本来やるべき重要な職務からの逃避を意味していることになる。
 管理職は率先垂範という意味と“現場の単純な働き手の一人として動く”ことを混同してはならない。部下にできることは部下に任せ、部下にはできない価値の高い仕事をしなければならない。この道理をわきまえない管理職に限って「部下の能力が劣っている」「部下が育っていない」という部下への不満を漏らすことの愚かさに気付かなくなる。

 管理職が部下よりも一段高い観点に立つとは、一言でいえば“部下に仕事を任せる”ことであり、自分は“部下にはできない仕事をする”ことである。このためには、管理職自身が自らの方針を持たなければならない。自らの方針をもって部下に仕事を任せることができない管理職は、どんなに一所懸命に仕事をしていても自己満足に終わってしまうものだ。
 また、管理職は部下に対しても自分から進んで取り組めるように仕向けなければならない。管理職が部下に対して方針をもって仕事を与えるためには、常に以下の点が伝わっているか否かを確認し続ける必要がある。
1.仕事の意味理解=自分は大切なこと、有益事柄をやっているという自己充足感
2.自己有能の体感=自分で一つのことをなすことができる満足感
3.自己決定=自分で決めたことからに参画することができた達成感
4.インパクト=周囲に影響を与えることができる自己優越感

 管理職は部下に任せる仕事の意味を示さなければならない。仕事の意味を示すとは、部下に担当させる仕事が、会社や社会のなかでどのような位置関係にあるかを認識させることである。
 管理職は部下の能力を見極めなければならない。仕事上の能力は学力とは異なるため、常に部下に対して“今できること”と“将来的な課題”を峻別して仕事を振り分けていくことが必要となる。
 管理職は部下に自己決定できる要素を与えなければならない。単純な指示命令を繰り返すのではなく、大枠として設定したスケジュールの下で細部の進行を部下に任せる度量や余裕を持つということでもある。
 管理職は部下に周囲の反応を感じさせる感覚を磨かせなければならない。つまり、行為や行動から生まれた成果に対して“ほめる”あるいは“批判”することを通して、部下自身が自らのポジションを意識化させるということだ。

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