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週刊Neue Fahne

2011年04月18日号

後輩への指導で発生する葛藤が自分のリーダーシップを育む

 新年度を向かえてそろそろ新入社員が自分の部署に後輩が配属される時期だ。新入社員に限らず社内移動や中途採用などで年齢に関わりなく仕事上での後輩が配属されてくる時期でもある。
  こうした時に陥りがちなのが「ただでさえ自分の仕事が忙しいのに、後輩の指導なんてかなわないな」との意識だ。また、「後輩とは言っても、それほど自分と歳も違わないのに、どのように接したらよいのかわからない」さらには「自分には後輩に教えるだけの指導力なんかない…」との思いもあるかもしれない。
  自分に指導力がなければ他人を指導ができないという考え方は大きな勘違いだ。そもそも指導力はリーダーシップと同じで、最初から個人の能力として備わっていることは稀である。
  後輩の指導は自分自身を鍛え、自分を成長させてくれる大きな機会であると受け止めことが重要だ。後輩を正しく導いていく過程で、自分自身にリーダーシップが身についてくるものだ。

 後輩の指導に当たっては、本来の自分の仕事だけではなく、後輩の仕事内容や進捗にも気を使わなければならない。しかし、どうしても自分に課せられている仕事を優先してしまい、後輩の動きに目が届かないことも発生したりする。
  また、誰しも後輩に嫌われたくないという思いから、ついつい接する態度が遠慮がちになってしまうものだ。さらには、億劫になったり臆病にもなってしまうものだ。
 実はこうした後輩を指導する過程で発生する葛藤経験が自分自身にリーダーシップを身につけていく上での大きな糧となっているのだ。
  後輩を指導する過程とは、日常の業務実践を通して後輩に自分自身の役割をモデルとして見せるということに他ならない。そして後輩は先輩の役割行動から自分の行動規範を創りだしていくものである。
従って、後輩を指導していく上で、最も注意しなければならないのは、常に「正しいこと」を行わせるという真摯な姿勢で接することだ。

 P.Fドラッカーは「有能性は、習慣でもなく、慣行でもなく、態度である」と強調し、「この態度は学習によって後天的に身につけることができるものである」といっている。
 他人に何かを教える場合には、相手よりも3倍以上の知識が必要だといわれている。いざ後輩を指導していると、いろいろと気づかされること、自分の至らない点について感じるはずだ。たとえば、十分理解していると思っていたことなのに、後輩から質問されて答えられなかった。
  自分の知識が不十分だとわかれば、改めて勉強しなくてはならない。さらに勉強してみると、自分の知識がひとむかし前の情報でしかないことに気がつく。
 つまり教えることは、自分自身の勉強であり、リーダーシップの習得にも直結しているのだ。

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