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週刊Neue Fahne

2014年10月13日号

部下の目標設定に管理職が責任を持つ

「仕事にモチベーションが持てない」と嘆く部下に対して、管理職はどのように対処していく必要があるのか。仕事へのモチベーションとは、単純に例えば給与の増減などの量的に外的なものだけで左右されるわけではない。
 一人ひとりの内面からの欲求として醸し出される質的とでもいうべき要素が大きく影響する。そこで「外的」と「内的」なモチベーションの関係を管理職は把握する必要がある。

「外的モチベーション」は、例えば自分の“給料が上がった、下がった”などのように量的であるが故に即効的である半面で一過性でもある。
 仮に自分の給料が上がった月は嬉しいだろうが、この嬉しさはせいぜいのところ数カ月もすれば忘れ去られ、“今もらっている給料が当たり前”と思うようになるだろう。しかし、「内的モチベーション」はそれが質的な要素が大きいため、一旦形成されると意識の中に定着することになる。

 ビジネスの世界でこの「内的モチベーション」は、自分がおこなう仕事の意味や目的、自分が仕事に関わることの意義とその結果の影響度合い等と密接に関係してくる。そのために、自分自身が立てた計画や目標を自分が実践することによって得られる成功や失敗の蓄積は、一人ひとりのビジネスパーソンにとって大きな成長の糧となる。
 ビジネスの世界では、一人ひとりの仕事への目標が明確であればあるほど取り組み姿勢に違いが発生するものだ。自分自身に目標設定もなく単純作業だけを繰り返し、上から与えられたことばかりを行っていてもモチベーションなど上がりようもない。こうした業務姿勢では、当然、結果にも大きな差が出る。

 比較的社歴が長いにも関わらず、管理職からみて伸び悩んでいる部下がいるとする。管理職はこうした部下に対して“本人たちはこれまで目標を持って仕事を実践してこなかったのではないか”と疑ってみる必要がある。
 併せて、管理職の側も“部下にたいして自分は管理職として明確な目標設定をしてこなかったのではないか”と思い返してみる必要もある。
 管理職が部下に目標設定を行わせる場合に注意すべき点は、単純に上からの数値目標だけを与える「ノルマ」と解してはならないということだ。あくまでも目標設定とは「自己による目標設定」を自分で管理させるということである。

 当然ながら一人ひとりの部下の目標設定は、自社の経営目標達成の一翼を担う内容でなければならない。そのために管理職は部下に対して明確に「会社の方針、目指すべき方向性」「自部門が果たすべき役割、目標」「前期の問題点と今期の課題」等を明示化しなければならない。
 同時に管理職が部下に対して「目標設定」を行わせるのは、部下が設定した目標に向けて日々の業務を通して、PDCAを回していけるようにするためだ。

目標を持ち、創意工夫することで部下は成長していく。自分で目標設定のできない部下は成長することはできない。つまり、管理職が部下に目標設定をさせるのは、部下が自ら能力を高めていく過程を支援する「育成」と同じである。
 部下に目標設定をさせることは、管理職が果たす職務責任の範疇ということになる。

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