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週刊Neue Fahne

2014年06月16日号

管理職が職務を遂行するうえでの原点

 さまざまな業種や業界、さらには個別企業組織で管理職に求められるスキルには違いがある。しかし、管理職が果たす役割意識として必要なことがある。それは自分自身が“人一倍仕事ができる”ことが重要ではないということだ。同時に“仕事ができれば部下がついてくる”と思ってはならない。
 管理者に求められるのは、細分化された機能スキルではなく、組織内において発生している状況に対して“何をしなければならないか”という視点を磨き、状況に応じた“どのような所作をとるべきか”ということを意識することだ。

 マネジメント論を紐解けばさまざまな管理者像が紹介されている。しかし、「これが管理職のあるべき姿である」という完璧な正解は存在していない。必要なことは自分が置かれた状況に応じて最適な方向を指示し、時には軋轢も覚悟して部下を牽引して実践していくことだ。
 従って、一般社員と「同等の意識レベル」にとどまっていては務まらないということをはっきり自覚しなければならない。管理職は組織を運営する側であり、会社組織にあっては「経営の代行者」として、方針を現場で具体化させ貫徹させていくことが管理職のミッションであるということだ。
 もちろん、このミッションを遂行するためには、経営の意図を理解し自分自身が納得しなければならない。この点を曖昧にして安易に「現場の声」に迎合してしまうならば、結果的に現場に混乱をもたらすことになる。

 仮に経営の意図、方針に疑問を抱いたならば、「上からの指示だから仕方がない…」などという態度をとらず、自分が納得するまで方針の“すり合わせ”を行う努力をしなければならない。こうした努力を怠り「方針が不明確だ」との思いにまかせて、不満を持ちながら他人事のように部下の前で口走る管理職ほど、部下からは頼りなく映るものだ。
 仮に経営方針が不明確だと感じたならば、経営に対して意見を提言して方針を確認していく行動をとらねばならない。それでも自分として納得がいかないのであれば、代案を提起していく気概が必要だ。

 管理職がもっともやってはならないことがある。それは、経営方針に対して“面従腹背”の態度をとることだ。“面従腹背”の姿勢は必ず部下に感染し、部下は管理職の指示や命令に対して“馬耳東風”を決め込むこととなる。
 つまり、管理職の“面従腹背”は、天に唾する結果となることを忘れてはならない。これを防ぐのは管理職が経営方針に納得のいかないまま従うのではなく、自分が納得できるまで経営の意向との“すり合わせ”を行う労を厭わないことだ。こうした気構えこそ管理職が職務を遂行していくうえでの原点だ。

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