2013年10月07日号
管理職が日常業務で常に心がけていかなければならないことは、次の3点に集約されるといっても過言ではない。いや、この3点をしっかりと実践していなければ、管理職としての役割をまっとうすることはできない。なぜなら、在席年数で職位や給与が、自然に上昇するという時代がとうの昔に終わっているからだ。
3点とは、
1.自分で「学ぶ」
2.自分で「考える」
3.自分で「実行する」
極めて単純なことだと思われがちだが、この3点を実践していくのは非常に難しい。なぜならば、実践には常に企業組織の中にあって、自分自身が信念のある働き方=自立した働き方に徹するという姿勢が前提になるからだ。
■自分で「学ぶ」
企業組織ではトップや経営陣と管理職の間に大きな「溝」が存在しているものだ。また、会社経営に対してもその気構え、覚悟で雲泥の差が存在する。また、経営を取り巻く環境に対する情報収集、業界動向に関する知識、さらには会社組織の将来を見据える真剣さにも明確な差が存在している。一言でいえば意識レベルの差だ。
しかし、このレベル差を埋めるために管理者が、自らあらゆる機会を通して勉強し、学び続ける行為行動を放棄してしまうならば、単なる上からの指示を実行するだけの作業員に終わってしまう。その結果、意識のレベル差はさらに拡大する。
自ら「学び」を通した意識形成を不断に実行しない(できない)管理職は、自分の職務能力も磨くこともできない。まして、一般教養から業界知識、個別技能に至るまで部下の模範となることができない。
■自分で「考える」
自分で「考える」とは、如何にして組織内において自らに課せられた役割、仕事を自分にコミットさせていくか否かということだ。自ら「考える」ことをしない管理職は、自分の部下に対しても「考える」ことを要求しないものである。こうした姿勢は組織内に「無責任」という行動規範を蔓延させてしまう。
「会社が仕事と収入を保証してくれる」という発想は既に通用しない。自らの生殺与奪を会社に委ねる発想は、自らの仕事や働き方を卑しめているのと同じである。自分の頭で考えることができない管理職は、自らの存在を自己否定することに等しい。
■自分で「実行する」
会社組織の抱えている問題点をさまざま発見し、それを解決していくのが管理職の役割だ。しかし、その問題の解決のため「自ら何をすべきか」を思考せず、評論家的に他人事のように責任転嫁をする管理職のメッキは必ず剥がされるものだ。
管理職が自ら率先垂範で自分から実行する姿勢が、周囲にも伝播する。そしてこの姿勢が周囲に対して信頼感を与え組織力を高める循環を生み出す。
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