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週刊Neue Fahne

2022年09月26日号

現場マネジメントが担う部下育成課題 -5- 高い視座に立った「問題解決」の道筋

 自分自身の日々の基本的業務の積み重ねが、企業組織を支えている。しかし、単純に「作業」を繰り返すことが自分の仕事であると考えていては、何時まで経っても自分の成長につながらない。当然のことながら組織全体の成果には結びつかない。職場にはすぐに解決していかなければならない顕在化した「問題」もあれば、時間をかけて一つ一つの関係性や関連を考慮して解決していかなければならない問題もある。
  ともすると目の前にあらわれる「問題」に対して片っ端から闇雲に対処しがちになるものだ。そして、この対処に明け暮れることで、あたかも“仕事をしている感”が生まれてしまうこともある。職場で発生する「問題」とは、組織が掲げる目標と、現状との間に発生してくるギャップやズレであり、目標を達成するために解決しなければならない事柄である。そして、このギャップやズレを埋めるために実行しなければならない事柄が「課題」である。

  仕事の上では問題を解決していくうえで重要なことは、「いま、自分が何をやる必要があるのか」ということを見極める必要がある。この見極めが「課題設定」である。自分が設定した「課題」についても当然のことながら「現状」と達成後の「あるべき姿」との間にギャップやズレ存在している。これらを把握して障害となっているものを見極めることが必要となる。この見極めは「問題解決」の道筋を掴むということになる。
  仕事の上では「課題設定」と「問題解決」は一対のものということができる。ビジネスの世界では「問題解決力」が強調されるが、個々の問題処理能力が高くても「問題解決」の道筋である「課題設定」を誤るならば、次から次に発生する問題への対処療法に振り回されることになる。

 往々にして企業組織における将来の「あるべき姿」は、経営陣や上位のマネジメントクラスが考える専権事項であるかのように捉えられてきた。このため現場では“四の五の言わずに言われたことをやれ!”式の指導がまかり通ってきた。しかし、今日の「ブーカの時代」と称される曖昧模糊で不確実性の高い経営環境の下では、変化スピードが速く、将来予測が難しい。
  企業組織の「あるべき姿」に向かう課題などを自分自身の事柄として、主体的に受け止めていかなければならない。有り体にいえば“上から降りてきた事柄を粛々と熟す働き方”を踏襲することは、組織貢献に反することになる。課題を主体的に受け止めて自ら課題解決に向けた思考を怠るならば単に「いわれたことだけをやっている人材」すなわち「ぶら下がり人材」と揶揄されることになる。

 これからの働きに求められているのは、「そもそもなぜこれをやるのか」「自らは何を行うべきなのか」などを自らの頭で考え設定していく思考力である。さらに周囲に働きかけながら具体的行動を起こす働き方が必要となる。ただし、こうした力を自らに身につけていくためには、特別な能力や才能が必要なわけではない。必要なのは成果をあげるために「自分がすべきことは何か」と意識する習慣(クセ)を実践的業務の中でつけていくことだ。
  もちろん「現状」と「あるべき姿」との間で何が課題となるのかについて、組織内で共通した認識がなければ、ひとり相撲に終わってしまう。そこで「自らの学び」を怠らず、高い視座に立ち、広い視野と柔軟な思考で現状把握に努めなければならない。企業組織が抱える課題を「わが事」として自らが考え、周りを巻き込みながら設定し解決していくことだ。こうした姿勢の貫く行為や行動が自分の仕事の中に醍醐味を持たせることになる。

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