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週刊Neue Fahne

2019年01月07日号

入社直前の新人への示唆 -1- 責任を持って物事に取り組む

企業組織の一員として働くことになる新人は、往々にして「これまでの考え方が根底から変えられる」という不安に直面することになるかもしれない。企業の一員として働く場合に一般的には“甘えが許されず、堅苦しい”と思いがちだ。このため、時に不満を感じ、反発を覚えるかもしれない。「責任概念に基づいた仕事を自らの生活の糧とする」というこれまでとは異なる未知の領域に立ち入ることになるため当然のことでもある。しかし、“どのような仕事にも、それを成し遂げなければならない理由や意味がある”ということを知ることで、不満や反発も緩和するものである。
  企業組織に迎え入れられる新卒者は“将来活躍してくれるであろうという未知の期待値”によって採用される。何故ならば、いまだに多くの企業組織では「即戦力」採用を謳っていたとしても、職務(job)を重視した採用ではなく“経験により職務能力が蓄積される”という考えが主流となっているからだ。従って、採用された段階では残念ながらあくまでも「未知数」なままであるのが現実だ。

  企業組織において自らが「未知数」な段階から「人材」へと変態しうる条件は、“経営とは何を考え、何をめざしているのか”をしっかりと理解し、日々の業務行動を展開することが出来るのか否かにかかっている。一言でいえば経営する立場で物事を考え、行動することである。企業組織において最初に待ち受けているのは、残念ながらともすると雑用と思われる事柄がほとんどだ。
  当然ながら新人は“やる気を持って入社したつもりが、なかなか仕事を任せてくれない…”という思いに苛まれることになるだろう。確かに“早く仕事を覚えて戦力になりたい”という気持ちは大切だ。だが、企業が先ず期待していることは、“企業人としての基本”を身につけることである。仕事を任せることができる前提は信頼感であり、基本が身についていない者は、決して企業組織から信頼を得ることができない。これは、今後主流となるであろう職務(job)重視の働きでも変わることはない。

  企業組織から信頼を得る最大の近道は、言葉づかい、挨拶、礼儀、指示・命令の受け方、報告・連絡・相談のやり方、仕事の技術と進め方の習得にかかっている。同時にあらゆる利害関係者を慮り、企業の果たすべき社会的責任に根ざした企業組織の規律を守る姿勢、仕事に向かう意欲、他の社員との協働姿勢を確立することである。
  これらはすべて「企業人に求められる基本」である。この基本をしっかり叩き込まなければ、決して自分が希望する業務に就くことはできない。企業人に求められる基本の習得や仕事に対する姿勢が未成熟な段階で仕事を選り好みすることは、企業組織のメンバーであるか否かに関わらず、“仕事”を展開することを否定するのと同じことである。

  とりわけ企業組織では一人ひとりの従業員の希望とは別レベルで、組織の現状と将来展望の下で総合的に判断して担当を決めていくものである。つまり、企業組織とはムダな業務を極力排除するものであり、“人に仕事を宛がうのではなく、仕事に人を当てはめる”ものである。このため組織内での移動も発生するし、この移動スピードもますます速くなってきている。
  新人であれば指示を受けた仕事を正確に、早く効率よく行うことが求められる。時として「型にはまった業務」の繰り返しも発生する。さらには理不尽と思える局面にも遭遇することになるだろう。しかし、一方で“決して経験の蓄積が自らの職務能力を高めるとは限らない”ため、理不尽さに耐えることが業務能力に直結するわけでもない。あくまでも自らの仕事を主体的に捉えて、何事においても自らの存在をかけて「責任を持って取り組む」という姿勢を堅持することが求められる。

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