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週刊Neue Fahne

2018年05月21日号

管理職が指揮・命令を発する場合の原則

 企業はいうまでもなく目標と方針を持った利益共同体組織である。そこで経営の一端を担う管理職が部下に発する指揮・命令は、組織の原則にのっとった明確なものでなければならない。管理職の職務は、自らの部門の経営資源を最大限に駆使して、組織が期待する利益目標を挙げることにある。
 また、定められた職務責任を果たすことである。業務を具体的に進めていくためには、部下を統率していかなければならない。この過程で重要なことは、指揮・命令を発するにあたって原則を厳守することだ。

 管理職の中には指揮・命令を厭う者がいる。こうした管理職は表面的に部下の自主性を尊重しているかのように振舞うが、本質的なところで自らの責任を回避しているに過ぎない。企業が組織体として機能していくために業務は、上からの指揮・命令の下で遂行されなければならない。もちろん、一つ一つの業務を遂行するにあたって、担当する者が自分の頭で最善な方向を考えるように導くのは当然なことである。
 しかし、管理職は仮に部下による自発的な業務に対して「承認するのか」のか「承認しないのか」という判断が不可避となってくる。「部下が勝手に行ったことである」などという方便は通用しない。このような意識の管理職は自らの職務を放棄していることになる。
 
 管理職が発する指揮・命令には、組織としての強制力が存在する。部下が指揮・命令に反すれば、部下への何がしかの罰則を与えることに躊躇してはならない。従って、管理職は自らの指揮・命令に対する権限を自覚していなければならない。つまり、管理職が部下への指示それ自体が全て業務命令であり、企業の経営方針の具現化であるという自覚を持たねばならない。しかし、部下への指揮・命令があいまいであっては部下が混乱することになる。
管理職が指揮・命令を発する上での原則
1.明確かつ具体的な指揮・命令
 あいまいな命令は誤解のもとである。5W2H方式で、「何を、いつまでに…」と具体的に表現する。ただし、具体的な手法については、部下の経験・能力に応じて、任せることもある。
2.威厳のある指揮・命令
 部下に対して指揮・命令を発する意味や内容、背景を明確に説明する。ただし、必ずしも納得させる必要があるわけではない。仮に部下が納得してない事柄であっても必要と判断したならば、ともかく実行させる。
3.指揮・命令は粗雑であってはならない
 いったん出した命令でも、必要なら取り消してよい。思慮の下での朝令暮改を恐れてはならない。しかし、思いつきで次々と変更してはならない。
4.発した指揮・命令についての途中経過および結果の報告を必ず受ける
 業務は指揮・命令に始まり、報告に終わる。長期の仕事には中間報告の時期を決めておく。出した命令には関心を持ち続け、部下に報告義務を課す。
5.結果に対しては自分が責任を負う
部下の失敗に対しては、厳しく叱る必要がある。しかし結果責任は、命令を出した管理職が負う。

 管理職が部下への指揮・命令において自分自身が、自らの置かれた状況を徹底的に見つめて、自分自身を常に点検し「あるべき姿」をイメージしながら“今何が求められているのか”を明確にしなければならない。部下への下問も必要になる。時には批判を素直に受け入れる謙虚さも必要となる。この謙虚さを担保するのは、自らの知識や能力を磨いていく自己コントローである。

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