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週刊Neue Fahne

2011年07月25日号

常に自分自身が「リスクテイク」(先頭に立つ)することを厭うな

 東日本大震災や原発事故以降、組織のリーダーのあり方についての議論が盛んだ。マスコミはもちろん、書店のビジネス書コーナーにはリーダー論に関する書籍が所狭しにならんでいる。
 恐らく困難な状況にあたって全体をリードしえていない政治家や政党と自らの属する組織とを対比させ、リーダーには「かくあってもらいたい」であるとか、周囲を牽引するリーダーの「力量」や「器」に期待や仮託をしてのことだろう。
 確かに組織は一人のリーダーないし指導者によって帰趨が左右されがちだ。ましてトップが常に陣頭指揮をとっている場合はなおさらだ。一方でこうした組織ではトップ以下が「団子状態」になりやすいものだ。つまり、形式的に役職や階層は確立しているが、それぞれが自らの役割を発揮することなく、トップの判断を常に仰がなければ行動に移せない、という一人ひとりが「待ち」の状態に陥る危険性があるということだ。

 会社組織も同様だ。構成員による「待ちの姿勢」が衰退のはじまりとなる。一人ひとりが自らの存在の意味と役割を認識し、「自分が実行する」という意識を持ち続けていなければ、おのずと活性化は失われる。「誰かがやってくれるだろう」という気持ちは、「誰かがやったら自分も…」という具合に、一種の「ただ乗り」(フリーライダー)思考だ。同時に付和雷同式に安易に全体に流されてしまう危険性を持っている。
 会社組織の中で訳知り顔で「同期・同僚の中で自分が率先垂範して行動してしまうと、周りから浮いてしまう」と、自らが行動しない理由づけを行う者がいる。善意に解釈するとこうした思いは、突出した存在になると目立ってしまい、失敗した時などに「笑い者」になってしまうのではないか、という恐れでもある。しかし、こうした意識は「ただ乗り」思考であると同時に自らの成長の阻害要因だ。さらには、自ら属する組織では「ただいるだけのひと」という存在に自ら落とし込む結果になる。

 自ら「先頭に立つ」とは、むやみやたらにひとを押しのけて「前に出る」という意味ではない。まして、独断専行をするという意味でもない。会社や部門の課題に対して、自らが矢面に立って対処していくという気概を持つということだ。
 今日ではトップの判断がすべて適確で適正であり続ける保証はない。むしろこのような保証をトップに求めていては、トップ自身が瑣末な課題の処理に追われて疲弊していく。当然、組織には役割分担があり、全員が指揮権を持ったリーダーになれというのではない。リーダーシップとは自ら「リスクテイク」する自覚を持って他者に影響を与えつづけていく行為という意味だ。会社組織が健全に機能していくためには、一人ひとりが自分にできる最善の動きをすることを目指していくということだ。

「先頭に立つ」とは、仮にいま現在の自分の職務能力や経験レベルが低くても、組織の発展と自らの成長とを同一線上に捉えて、今時点での最大のパフォーマンスを発揮していくために自覚的に行動していく姿勢を堅持していくことでもある。

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