2013年06月03日号
一般的に「人」「物」「金」「情報」が経営の要素といわれている。さらに「顧客ニーズ」「技術開発力」を加えて6大要素と表現されることもある。もちろんこれらの要素は、各企業組織の発展段階や状況によって優先度合いに変化がしょうじるものだろう。
また、これらの要素が全て揃っていたとしても、それぞれバランスをとりながら統制して行くマネジメントがなければ企業組織は機能しない。
マネジメントとは、さまざまに定義されているが「計画し、組織し、指揮(命令)し、調整し、統制するプロセス」というサイクルであることに変わりはない。そしてマネジメントとは、会社組織に限らず“組織や団体、人が存続・発展するための全ての活動”を司り、組織に「結果を出させる」ことである。つまり「組織を発展させる」という目的遂行のためのものだ。
一方で、これは手段であって目的ではない。そしてマネジメントが機能していない組織は、烏合の衆と同じであるといっても過言ではない。何故なら、せっかく計画を立案しても組織を構成するメンバーがバラバラな展開を繰り返すならば、例え本人の意図はどうであれ、組織的な成果を生み出すことはできないからだ。
最近多くの企業で管理職に就きたがらない中堅社員が増加しているといわれている。その理由は「残業代が付かなくなるからいやだ!」「周りから上から目線と思われたくない」という類の“他愛のない”のないものから、「部下・後輩を率いていく自信と経験がない」など自分の能力不足を卑下するものまで多岐にわたっている。
「残業代云々…」は論外として、管理職に就くことを敬遠する理由の一つには、マネジメントの役割に対する理解不足があるのではないだろうか。さらには自分が管理的な立場に立った場合には、「何をすべきか」という点や「役割と機能は何か」などが不透明、不明確になってきていることに起因しているのではないか。
そのためか逆に管理職に就いた者が、管理職として部下への指導という本来の意味を履き違えて、一方的な命令に終始してしまい周囲から孤立するなどのケースがある。最近急増している「パワハラ」を誘発する原因もマネジメント力の低下の一つでもある。
では、マネジメント職に就いている者は、何をしなければならないのか。この答えには正解は無い。ただ、責任ある立場に立った者が実行しなければならない以下の基本姿勢の下での状況対応だ。
・自分の守備範囲にいる者を含めて部下をよく知る。
・組織活動にとって不適任者でると判断した者を排除する
・企業組織と従業員の間での取り決め事に関心を持ち適切にさばく。
・自ら優れた模範を示すとともに組織の定期的監査を行なう。
・自らと同様の職責者と方向性を統一し、努力を集中させて、エネルギー、自発的努力、忠誠心、団結力を従業員に行き渡らせる。
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