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週刊Neue Fahne

2013年05月06日号

チームワークでは一人ひとりの仕事の成果が問われる

 新入社員を採用した企業では、そろそろ新入社員が職場に配属される時期。新入社員に限らず多くの会社では移動の時期である。他部署からの移動は新たな配属であり、移動してくる者にとっては内心不安なものだ。この不安感は社内移動に限らず中途採用者も同様である。もちろん迎え入れる側も気をつかうものだ。
 こうした時期に職場のマネジメント層が陥りがちなのが、新入社員や新たに配属されてくる者に対して「当然、このようなことはわかっているだろう…」という思い込みだ。逆に比較的社歴の長い社員(中途採用者も)が他部署に移動した場合に陥るのが、以前の部署で行われていたことが「通用するだろう…」という思い込みだ。

 ハッキリ言ってこうした相互の「思い込み」が企業組織の至るところに蔓延している。「思い込み」が長じて時にはとんでもない損害を企業組織が被ることもある。この「思い込み」をなくして行くには組織体制を整えたり、指揮命令系統を整備したりという単純な「仕組み改善」だけでは解消できるものではない。
 どのような仕組みを構築したとしても、それを運用するのは個々の一人ひとりの構成員である。従って、一人ひとりの自律と自覚した行動がなければ、所詮仕組みは絵に描いた餅となり、何時しか恣意的運用によってなし崩し的になってしまう。

 企業組織に限らず組織とは、「意識的に調整された二人またはそれ以上の人びとの活動や諸力のシステム」(チェスター・バーナード)である。つまり、二人以上のチームワークがなければ組織は機能しない。
 では、チームワークとは何か。
 チームワークとは、単に「周囲と仲良く仕事をするものである」と誤解してはならない。組織の掲げる共通の「目的」に対して、チームとして“ワーク”(仕事をする)をすることである。“ワーク”とは「自分の頭で考えて仕事をやり遂げる」ということである。チーム(組織)の一員であるということは、自分自身の果たすべき役割を全うしなければならないということだ。
 仮に「自分がやらなくても、上司や同僚が何とかしてくれる」との思いは、結局のところ自分自身の仕事を疎かにすることになる。自分はチームを構成する一人であり、「周囲と仲良くやることが一番」などとの思い込みは「他者への依存」である。こうした者がいるチームは絶対に仕事の成果をあげることはではない。

 自分に課せられた仕事の結果については報告を行うが、その後は「上司がその結果を受けて次の指示を出すもの」と考えているようでは何時まで経っても「依存」で終わることになる。こうしたことを繰り返しているならば、チームが抱える問題点などを分析しよういう意欲も湧いてこない。
 チームとしての成果が上がらなければ、その原因を自分で分析し次の手を考えて全体化して行くというスタンスがなければ、チームを構成していることにはならない。つまり、チームワークとは自律した一人ひとりが仕事の集積で成果をあげるということだ。

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